
■MPSテストマーケティング実施しました!
去る5月、MPSジャパンは、JFMA関連の店舗にご協力を願い、流通し始めているMPSの花を実際に販売してテストマーケティングを行いました。本コーナーでは、その結果についてご紹介いたします。
1.テストマーケティングとは?
2007年4月上旬日本で最初のMPS参加者の花が販売開始されたことを受けて、都内の生花店4店舗のMPSコーナーでMPS参加者の花を販売しました。
■MPSの花とは
- 農薬・肥料・燃料の使用量など環境に対する負荷をきちんとモニターし、削減に努めている生産者がつくった花き生産物
- 農薬などが正しく使われ、その使用状況をきちんと公開した生産者が作った商品
すなわち、MPSの花とは
「環境に配慮した生産」による 「安心・安全なお花」
これを踏まえて、今回のMPSテストマーケティングでは
◆店頭におけるMPSの花の紹介、PR
◆マーケティング調査(観察、アンケート)により消費者の反応を把握
を目的として、店頭においてMPSの花をとして、MPSの花を販売し
◆環境配慮を花の新たな付加価値としてブランド化
◆新たな可能性を持った花き商品の提案
を行いました。
2.実施の概要
■店舗と期間
テストマーケティングで実際に販売した期間は、2007年5月25日〜6月1日でした(MPSコーナー設置は6月10日まで実施)。
JAMA会員企業の小売チェーン店に委託しました。実施店舗、日程は以下のとおりです。
■花材(MPS参加者の花)
今回、販売した花は、全てMPS-ABC参加後約3ヶ月を経過して、参加者ラベルをつけて出荷できるようになった生産者の方々の花です。
品目:バラ、トルコキキョウ、カラー、ミニバラ(ポットプランツ)
■販売時の条件等
テストマーケティング実施に当たって、MPS商品であることの表示と、MPS商品の販売方法は非常に重要でした。そのために、次のようなことを行いました。
- MPS商品であることの証明=ラベルの添付
MPSの商品であることが分かるよう、MPSのロゴマークをデザイン化したラベルを製造し、商品に添付しました。
◆商品の様子
- MPS商品の販売ルール
店頭において、目印とするためにMPSのラベルを花に添付はしましたが、販売する際に、MPSの花以外の花とMPSの花をミックスする場合は、MPSの花のトレーサビリティの観点から、ラベルはつけないようにしました。
- MPSコーナーのPOP
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MPSが日本の花き産業の中に根付いて育ってくれますように、、、 |
この他、JFMAが、花の消費拡大を目的として発刊したフリーペーパーをMPSの紹介用のツールとして、店頭で配布いたしました。
→フリーペーパーIN Flower
→ブログ
- MPSの花に対する付加価値の設定
今回のテストマーケティングにおいて、最も重要なことは、消費者がMPSの花をどう受け止めるかを調べることでした。そこで全店舗において同じ商品の通常価格に対し、約10%前後UPの販売価格を設定しました。
■アンケート調査の実施
更に、消費者のMPSへの反応の把握を目的として、テストマーケティング時に対象店舗においてMPSの花を購入した人に対し、MPSの花に関するアンケートをお願いしました。
3.実施状況
■店舗別の実施状況
テストマーケティング当日の店舗の様子は次のとおりです。
- 小田急フローリスト 小田急エース北館
- 青山フラワーマーケット ドームシティ店
- 花良品 丸の内店
- フロレアルオペーク丸ノ内
4.実施結果
■消費者の反応
- アンケート調査結果
アンケート調査の有効サンプル数は118人。女性は87%、男性は13%でした。
回答者の年齢構成は、20代が31%、30代が47%、40代が10%と、店舗の立地等の関係か、若い世代が多かったです。
Q1:MPSの認知度に関する質問
「MPSを知っていましたか?」
知っていると答えた回答者は、全体の約5%でした。
Q2:環境対応型商品の潜在購入層に関する質問
「普段から低農薬な食品やエコロジカルな商品を購入していますか?」
回答者の約半数は普段から環境に対応した商品を購入していました。
Q3:環境対応花き商品への購入意欲に関する質問
「農薬や肥料を減らしたお花を積極的に買いたいと思いますか?」
ぜひ購入したい、購入したいと答えた回答者は全体の約80%でした。
Q4:MPSの花の価格に対する受容性に関する質問
「農薬や肥料を減らしたお花を通常の価格と比べて、どのくらいの高さまでなら買おうと思いますか?」
10%増までと答えた回答者は全体の約46%、20%増までは約36%との結果が出ました。
Q5:今後の環境対応の花の要望
「農薬や肥料を減らしたお花がもっと増えて欲しいと思いますか?」
お花全てが農薬や肥料を減らしたものになって欲しいと答えた回答者約12%を含めて、
増えて欲しいと答えた回答者は全体の約80%になりました。
■店舗側の反応
テストマーケティングを実施した4つの店舗に対し、ヒアリングを実施しました。主な内容は次のとおりです。
- MPSの花については今後も取り扱ってみたい
- 環境負荷を減らした花やグリーンが今後増えて欲しい
→ 理由:これからの時代、環境に対応しなくてはならないのは当然だから
- お客様からMPSに対する否定的なコメントはほとんどなかった
→ 一般消費者へのMPSの認知はないものの、知らない、関心がない場合でも、否定的なコメントはほとんどなかったとのことでした。
- 消費者が受け入れられる価格としては、10%程度ぐらいではないか。
- MPSのような仕組みがあると、仕入の際の明快な基準になる
- MPS=環境、安心安全のイメージとナチュラルな花との相乗効果を狙ってはどうか?
→ 今回は花材がかぎられていたが、草花やハーブ類などがあれば消費者に受け入れられやすく、訴えかけやすいのではないか?
など多くのご意見を頂きました。
5. これから
■まとめ
◆消費者
・消費者の認知はない(データ上は5%)
・環境対応商品を普段から購入している人は50%いた
・農薬や肥料を減らした花を買いたいという人は80%いた
・環境配慮の花の購入を価格でどこまで需要するかは、10%と答えた人は47%、20%と答えた人も37%いた。
◆テストマーケティング実施店舗
・MPSの花については今後も扱いたい
・環境負荷を減らした花やグリーンがもっと増えてほしい
・MPS商品を消費者が購入しようと思う価格は、同価格か10%に抑えたい
■今後に向けて
今回のテストマーケティングの結果を踏まえ、MPSジャパンは引き続き、次のことについて取り組んでいきます!
◆MPSマークの認知度アップ
◆MPSマークの付加価値の模索
◆店頭マーケティングの研究
◆店頭調査、消費者調査の継続
◆MPS取扱の店頭でのルール作り